最新作『デッドプール&ウルヴァリン』が公開。考察! なぜデッドプールはこんなにも愛されるのか?

すべての写真(13)を見る

最新作『デッドプール&ウルヴァリン』が公開。考察! なぜデッドプールはこんなにも愛されるのか?

PR

マーベル・スタジオ劇場公開最新作『デッドプール&ウルヴァリン』が7月24日(水)に世界最速で公開になる。本作に登場するデッドプールは、世界で最も愛されているヒーローだ。

とは言え、彼は一般的なヒーロー像からは少しだけ違っている。彼はどんな時もフザけているし、相手を容赦なくブチ殺すし、不謹慎な発言や“放送禁止用語”もテンコ盛り。でも彼は圧倒的に愛されている。“でも”じゃない。“だからこそ”彼は愛されている。なぜか? 最新作公開前に“我らの”デッドプールの魅力に迫る!

デッドプールのこれまでを駆け足で振り返ろう!

『デッドプール』(2016)

2016年に公開された映画『デッドプール』は映画ファンに衝撃を与えた。主人公の“デッドプール”ことウェイド・ウィルソンは、アイアンマンやスパイダーマンなどのヒーローとはまったく違うキャラクターだったからだ。

極秘の人体実験によって不死身の身体を手に入れてしまったウェイドは、元の姿に戻るために赤い覆面をつけて“デッドプール”として活動を開始した。正義のために? 地球のために? 困っている人のために? いや、彼は正義のためには戦わない!

自分とさらわれた恋人のためなら、デッドプールはどんな相手でも瞬時に殺してしまう。不死身の身体を持っているので撃たれても、手を切り落とされても無問題。おしゃべりが大好きで、どんな時でも黒いジョークと大人のギャグの大連発。ついには映画のお約束を軽々と無視して観客に向かって話しかけ、劇中のBGMも自在に操る。

ヒーローなのに良い子ちゃんじゃない。窮地に陥ってもギャグしか言わない。ムカつく相手や悪党には容赦しない。そしてカメラに向かって話しかけてくるので、観客も何だかデップーのことが好きになってしまう。結果、映画は大ヒットを記録。世界中の映画ファンが“私たち/俺たちの”ヒーローに出会ったのだ!

ヒットすれば、何があっても続編は作られる。続編になったらアクション映画になっていた『エイリアン』、シュワちゃんがいなくなっていた『プレデター』……あ、続編は英語で“sequel”。どの辞書にも“REMIX”とは書いてないから気をつけて!

『デッドプール』(2018)

2年後に公開された『デッドプール2』でウェイドは、未来からやってきた謎の男ケーブルと対峙することになる。強敵に立ち向かうため、ウェイドは様々な特殊能力を持つ個性豊かな面々“X-MEN”(韻、踏みました)のメンバーとチーム“X-フォース”を結成。ひとりぼっちだったウェイドは悪友、恋人だけでなく“家族”のような仲間ができたのだ。

一時は絶体絶命のピンチに陥り、ウェイドは命を落とすが、改心したケーブルがタイムマシンで過去に戻り“ある策”を講じたことで事態は解決。ウェイドはケーブルからタイムマシンを渡され、過去を好き放題に改変。爆笑必至のスカッとする結末に観客は大喝采をおくった!

というわけで、ウェイドは不死身の身体を手に入れ、恋人も友達もファミリーもできて、イヤな過去もなかったことにして万事解決。よかった!でも……歴史や時間を勝手に変えたりして、良かったのだろうか?

デッドプールがウルヴァリンと最強コンビ結成!?

結論:歴史は勝手に変えたらダメでした。

最新作ではデッドプールの前に“TVA=Time Variance Authority(時間変異取締局)”が現れる。彼らは本来の歴史を守るために監視・活動を続けており、勝手に歴史を変えたり、時間軸に分岐を発生させた者を取り締まっている。

TVAの本部に連行されたウェイドは、世界の命運を左右するミッションを与えられる。さらに本作では、あの“X-MEN”シリーズを、いや、ヒーロー界を代表する超人気ヒーロー“ウルヴァリン”が登場。無責任ヒーローのデッドプールとは何もかもが正反対のウルヴァリンがなぜ最新作に?

“ウルヴァリン”こと、ローガンは、鋭く長い爪で敵と戦う無口で孤高のヒーローだ。しかし、その人生は苦難の連続。若い頃に父を殺され、戦争に参加しては哀しい場面に遭遇し、愛した女性はなぜか死んでしまう。正義のために、愛する者のために、誰かのために戦っては大事なものを失い、悲しみと孤独を味わう。彼はいつもひとりぼっちだ。

そんなふたりが『デッドプール&ウルヴァリン』ではコンビを結成するという。そんなことが可能なのか? 予告編に登場するふたりは終始、いがみ合っているか戦っている。本当にタイトルは“&”で良いのか? 実は“VS”なのでは?

監督を務めるショーン・レヴィは公開前の会見で「本作は友情についての映画です。最初、ふたりはぶつかっていますが、やがて進化し、強いつながりの物語になります」と語っており、もしかしたらウルヴァリンにお友達ができる、かもしれない!

なぜ、デッドプールはこんなにも愛されるのか?

そもそも、なぜデッドプールはこんなにも観客から愛されているのだろうか?

圧倒的に親しみやすく、常にジョークを飛ばす明るいキャラクターであることが理由のひとつだろう。彼は戦っている時も、ピンチになった時も、スキがあればジョークを挟み込んでくる。その内容も限界スレスレのものが多く、観客はその“ヒーローらしからぬ”姿に魅了されるのだ。

その一方で、彼は照れてごまかすけど実は“まっすぐな”男でもある。悪党は容赦なく叩き斬るけど、愛する恋人のためなら命をかけるほど一途だし、ちょっとどうかと思うダメ人間でも友達なら全力で守るし、何かを失った時は心底落ち込むナイーブな一面も持ち合わせている。無敵だけど、やっぱり人間。可愛いところも持ち合わせてる。好きにならないはずがない。

が、そんな魅力を持っているヒーローは他にも存在する。マーベル・スタジオ映画は“等身大”の魅力あふれるキャラクターの宝庫だ。若くて向こうみずなところも人気のスパイダーマン、妻と娘を愛する頼れる男アイアンマン、悪態ばかりつくけど実は仲間想いなロケット。みんな魅力的だ。

しかし、デッドプールは彼らとは違う。その最大のポイントは、彼がヒーロー映画のお約束から”半分だけはみ出している”ことだ。彼はどの映画でも敵に立ち向かい、ヒーローのように活躍するが、その合間にカメラに向かって観客に話しかけてくる。彼はこれが“ヒーロー映画”だと知っている。映画で主人公というものは、窮地に陥ったりするけど最後には勝つと知っているし、定番の展開やお約束をカメラに向かって自らバラしてくる。

デッドプールは映画の作り手でも観客ではない。彼は映画の登場人物だ。しかし、いつもその存在は映画から“半分だけはみ出している”のだ。

ヒーローは物語の中でヒーローの魅力を分析したり、語ることはできない。彼は敵と戦うだけで、観客が勝手にヒーローを愛したり、分析したりする(この長い記事みたいに。もうすぐ終わります)。しかし、デッドプールはヒーローとして戦い、同時にヒーローの魅力を語り、分析し、自ら体現してしまえる貴重な存在なのだ。

そんなデッドプールが、スパイダーマンやアントマンのいる“MCU”の世界に入る。これはマーベル・スタジオ映画史上最大にして最重要事件だ。

彼がアベンジャーズに入ることになれば、マーベル・スタジオ映画は次のレベルに突入することになるだろう。私たちのヒーローたちの見え方が変わるはず! どんなチームになるか完全に予測不可能になる! 不死身のヒーローの加入によって戦い方が変わる!単なる希望だけどデッドプールと生き返ったギルガメッシュ=マ・ドンソクがイチャイチャしてるのが見たい!

このタイミングで公開されるデッドプールの新作は、毎回言ってる気もするけど、今回だけは本気の本気で“今後の展開を考えるとこの映画だけは見逃してはダメなやつ”だ。

おそらく私たちはこんなにもデッドプールが好きなのに、彼に共感はしていないだろう。しかし、これだけは言える。私たちはデッドプールを“信頼”している。デッドプールは口は悪いけど嘘はつかない。娯楽映画の定番の展開やお約束に従って私たちをガッカリさせたりしない。言っちゃいけないことも全部ジョークにしてしまうことからわかるように観客に対して隠し事がない。友達や恋人を裏切らないし、悪党には絶対になびかない。こんなにも信頼できるキャラクターがほかにいるだろうか?

そしていうまでもなく、私たちが友達や恋人に求める最大の条件は、共感や憧れや大きな緑の身体ではない。信頼だ。

デッドプールは世界で最も愛され、最も信頼されているキャラクターだ。彼は観客やファンを一度も裏切ることなく最高の活躍だけを見せてきた。そしてついに最新作『デッドプール&ウルヴァリン』が登場する。どんなストーリーになる?ウルヴァリンとお友達になれる? デッドプールは世界はを救うことができる? すべては謎だらけだが、観客はこぞって劇場に足を運ぶだろう。最高に楽しくて、最高に信頼できる“友達”となら、どこに出かけても最高の時間になると決まっているからだ!

この夏、最高の友達は映画館にいる! さぁ、映画館でデッドプールと握手だ!

『デッドプール&ウルヴァリン』

7月24日(水) 世界最速公開

(C)2024 20th Century Studios / (C)and TM 2024 MARVEL.
(C)2024 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. & (C)2024 MARVEL

すべての写真(13)を見る

© ぴあ株式会社