目黒蓮×松村北斗×向井康二が“子育て”に奮闘! “ストスノ”が7月期ドラマで扮する父親像

2024年7月期のドラマが続々とスタートしているが、様々なストーリーが語られる中でも目黒蓮、松村北斗、向井康二と、Snow ManとSixTONESのメンバーがそれぞれ“父親役”で出演しているのが印象的だ。Snow Manの2人にとっては初の父親役だからこそ反響も大きい。

●『海のはじまり』主演のSnow Man 目黒蓮

まず、月9『海のはじまり』(フジテレビ系)だ。大学時代の彼女・水季(古川琴音)が自分との子どもを出産していたという事実を、7年後に彼女が亡くなってから知る月岡夏という難しい役柄を演じているSnow Manの目黒蓮。第1話では動揺しつつも、どこか水季と同じような快活さを感じる娘・海(泉谷星奈)の存在を確かめるように、少しずつ事実を受け入れようと努力している姿が印象的だった。

そして第2話では水季の母親(大竹しのぶ)や、今の彼女・弥生(有村架純)と対峙し、自分の気持ちを表現してこなかった夏が、奥底から絞り出すように今の想いを告げた。パパに「会いたい」という海の純粋な気持ちを受け止める前に、しっかり弥生に事情を話し、生きていてくれていたことに「ホッとした」という正直な気持ちを伝えた夏。いつもあいまいな答えをしていたが、この時の夏からは覚悟が強く滲んでいた。

これからは海と夏だけでなく、海の祖父母、海の存在を受け入れた弥生、それぞれの関係性が複雑に絡み合っていくことになりそうだ。不思議なものを見るように海を見つめていた夏が、次第に娘として受け入れ、愛しさを芽生えさせていく感情の変化が画面越しにも伝わってくる。父になること自体がこの作品の大きな主題であり、自分なりに家族になろうとする目黒の成長に目が離せない。

●『西園寺さんは家事をしない』のSixTONES 松村北斗

そして毎週火曜放送の『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)にて、SixTONESの松村北斗が演じるのはアメリカ帰りの訳ありシングルファーザー・楠見俊直だ。無愛想で変わり者の彼は、主人公・西園寺一妃(松本若菜)が務めるアプリ制作会社にエンジニアとして入社する。周りには4歳の娘・ルカ(倉田瑛茉)がいることを隠しながら、家事と育児も両立させていた。

SixTONESとして活動する前から培ってきた演技力が確かなものとなり、最近は映画『キリエのうた』『夜明けのすべて』『ディア・ファミリー』に立て続けに出演するなど、さらなる飛躍を遂げている松村。そんな彼が演じる楠見は、プライベートと仕事はしっかり分けており、娘がいることを知らなかった夏とは対照的に、娘がいることを隠しているという役柄。また夏が父親になろうとしているのに対して、楠見は既に父親として大奮闘中。子育てに対するリアルな姿勢と愛娘に向ける表情など、松村の新たな一面を見ることができる貴重な作品と言えるだろう。

「ルカは僕が1人で立派に育ててみせます」という力強い決意のこもった声や、亡くした妻を想い、自分を責めるように堪えながら流す涙など、すでにグッとくるシーンが多かった本作。初回放送時には松村の演技への反響も大きく、「#西園寺さんは家事をしない」がX(旧Twitter)のトレンド1位を記録した。これからは、家事が苦手な西園寺とのいびつな一つ屋根の下での生活が始まっていく。完璧でクールなようで、心の中ではあたふたしているという、人間味のあるどこか新しいキャラクター・楠見として、一歩を踏み出す松村が向かう未来が楽しみだ。

●『マウンテンドクター』のSnow Man 向井康二

杉野遥亮演じる整形外科医・宮本歩が、地元の長野県に戻り、過去のトラウマと対峙しながらも信濃総合病院で山岳医療に携わり成長していく『マウンテンドクター』(カンテレ・フジテレビ系)。Snow Manの向井康二は、歩と麻酔科医の村松典子(岡崎紗絵)と同級生で、炭火やきとり「しんちゃん」の店主として働く小松真吾を演じている。「しんちゃん」は、仕事を終えた信濃総合病院の人たちや登山を楽しむ人たちが通う憩いの居酒屋で、歩たちの背中を押すパワースポットのような場にもなっている。また真吾が身に着けているハチマキには雪だるま(=Snowman)が描かれていたことから、Xでは「#しんちゃん」トレンド入りを果たすほど、ファンの間で盛り上がりを見せている。

向井は『特捜9』(テレビ朝日系)では優秀な仕事ぶりを見せ、『リビングの松永さん』(カンテレ・フジテレビ系)ではチャラくて優しいバーテンダー役を務めるなど、陽気さがベースにあるが、芯の異なるキャラクターを演じ分けてきた印象がある。真吾も向井自身のキャラクターとマッチするような明るい性格だが、実は別れた妻と息子がいるという役柄だ。

第1話で、「バツイチの悲しいパパです……」と話しながらも、せっせと働くその一瞬にさえ父親らしさを感じさせた向井。制作発表会見の際には「いままでは連絡をとるときお母さんに電話をすることが多かったのですが、役が決まってから、お父さんに掛けることが多くなりました」(※)とコメントしており、彼なりに作り上げた“背中で見せる父親像”への期待も高まるところだ。今後物語が進むにつれて、同級生3人組の関わりや、離れて暮らす息子との関係性もより深く描かれることだろう。

30歳前後で演じる父親役、その初々しさも“表現”として感じさせる3人の演技。この夏は、それぞれが過ごす家族との人生を見守っていきたい。

参照
※ https://realsound.jp/movie/2024/07/post-1708990_2.html
(文=伊藤万弥乃)

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