「恕る」の読み方は?よ~く見て、「おこる」でも「うらむ」でもないよ!【漢字クイズ】

本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「恕」です。

【Q】「恕」の「お」ではじまる訓読みは?

「恕」の読み方は?

「怒る」と即答した方、ちょっと待ってください。もう一度よく見てください。少し違いますよね。

そして、この漢字は「怒る」に形が似ているものの、意味は「怒る」とは正反対ともいえます。

それではヒントを。音符の「如」の古文における意味を思い出しながら考えてみてください。

※「漢検」は公益財団法人 日本漢字能力検定協会の登録商標です。

出典(読み・配当級):『漢検要覧1/準1級対応』(公財)日本漢字能力検定協会

正解は……

「おもいや(る)」です。

【漢字解説】

「恕」を辞書で引くと以下のような解説が記載されています。

字義

①おもいやり。同情。いつくしみ。

用例:それは、恕だろうな。(それはたとえば)自分の望まないことは、人にしてはならない(ということだ)。

②おもいやる。同情する。いつくしむ。あわれむ。

用例:心中、わが身に照らして、太后様のお身体に障(さわ)りがあるのではないかと心配です。

③ゆる-す。おおめに見る。「寛恕」「宥恕(ユウジョ)」

出典:新漢語林 第二版 大修館書店 電子辞書版

上記を読んでいると、筆者もはっとさせられます。「自分が望まないことは人にもしないようにしないといけない」と思ってはいても簡単なことではないですよね。自分がされて嫌だったことを誰かに思わずしてしまい、自己嫌悪に陥った経験がある方も多いはず。

また、自分のことのように誰かを思い、心配するのはステキなことです。そう思える人がいるだけでも十分幸せといえます。

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「恕」の解字

形声。心+如(音)。音符の如は、古文では女、しなやかな女性の意味。しなやかな心、おもいやり、ゆるすの意味を表す。

出典:新漢語林 第二版 大修館書店 電子辞書版

「恕」が含まれる言葉をチェック!あなたはいくつ知っていますか?

・寛恕(かんじょ):度量広く、おもいやりの深いこと

・宥恕(ゆうじょ):寛大な心でゆるすこと。ゆるしてとがめないこと。ゆるし

・恕罪(じょざい):罪をゆるすこと。宥罪(ゆうざい)

・恕免(じょめん):ゆるして罪を問わないこと。宥恕

・恕する(じょ・する):思いやりの心で許す

出典:広辞苑 電子辞書第六版 岩波書店

ストレス社会といわれる昨今、他者へのおもいやりや寛容性は失われつつあります。些細なことでも怒りの感情がわいてくる人や、やり場のない憤りをSNSに投稿して気を紛らわす人は多いです。

また、日々の暮らしに一生懸命になりすぎて、他者をおもいやる余裕なんてないという人も少なくありません。
こうした時代だからこそ、「恕」という漢字を念頭に置いておきたいですよね。
他者におもいやりの心で接していれば、自分にも必ず返ってくるはず。

※問題解説:オトナサローネ編集部
(意味や語源などは諸説ありますが、広く一般に知られているもので解説しています)

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