【米ビルボード・アルバム・チャート】テイラー・スウィフト『TTPD』12連覇、ザック・ブライアン2位に上昇

テイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が12週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

1位に初登場した2024年5月4日付から今週(7月20日付)まで、12週にわたって首位を獲得した『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』。女性アーティストのアルバムが初登場から12週以上首位を獲得したのは、1987年に11週間連続を記録したホイットニー・ヒューストンの『ホイットニーII』以来で、それを上回る史上最長記録を更新した。

Billboard 200で初登場から12週間以上首位を獲得したのは、『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が以下に続く3作目のアルバムで、次週13週目の首位を獲得すればスティーヴィー・ワンダーの『キー・オブ・ライフ』と同率の史上最長記録に並ぶ。

13週間 スティーヴィー・ワンダー『キー・オブ・ライフ』(1976年10月16日~1977年8日付)
12週間 モーガン・ウォレン『ワン・シング・アット・ア・タイム』(2023年3月18日~6月3日付)
12週間 テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2024年5月4日~7月20日付)

なお、ルミネイトによる集計が始まった1991年以降は1位に初登場することは珍しくなくなったが、それ以前は『キー・オブ・ライフ』と『ホイットニーII』を含む6枚のアルバムしか1位に初登場した作品はない。

初登場からの連続記録ではなく、通算記録としては2011~2012年に通算24週間を記録したアデルの『21』以来、12週間以上首位を獲得した女性アーティスト初のアルバムとなった。

首位獲得週が12週間を超えたのは、2023年3月18日~6月3日付まで12週間連続(通算記録は19週間)を記録したモーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(今週2位)以来で、女性アーティストによるアルバムで12週以上連続1位を獲得したのは、1992年12月から1993年3月まで13週連続で1位を記録した(通算記録は20週)ホイットニー・ヒューストンを中心とした『ボディガード』のサウンドトラック以来の記録となる。

テイラー・スウィフトは、今週でBillboard 200での首位獲得総週を81週目に更新して、ソロ・アーティストとしてはエルヴィス・プレスリーのもつ67週をさらに引き離し、史上最長記録を塗り替えた。首位獲得総数としては、ジェイ・Zのもつ14作に並び、ザ・ビートルズ(19作)に続く史上2番目、ソロ・アーティストとしては同率のトップに立っている。

『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』は、今週の集計期間(2024年7月5日~7月11日)にストリーミングが72,000(7%減少)、セールスが90,000(154%増加)、トラックによるユニットは1,000(7%増加)をそれぞれ記録して、累計163,000ユニット(43%増加)を獲得した。アルバムの週間再生回数は、全31曲で9,483万回を記録している。

今週セールスが154%も増加したのは、6月7日に公式ウェブサイトでのみ数時間限定でリリースされた限定盤のデジタル・アルバムが7月11日に3種類リリースされたこと、それから以前にリリースされたサイン入りエディションを含むCD7種類が再入荷されたからで、今週のアルバム・セールス90,000の内訳は、CDは67,000(127%増加)、デジタル・ダウンロードは19,000(1,266%増加)、アナログ盤は4,000(10%減少)をそれぞれ記録している。

新しく出荷された上記のアルバムには、通常盤に収録された16曲と、スウェーデンのストックホルムで行われた【The Eras Tour】のライブ・アコースティック・バージョン「ギルティ・アズ・シン?」、「ハウ・ディド・イット・エンド?」、「ピーター」がいずれか収録されている。

また、限定盤のCDにのみ収録されていた「フォートナイト feat. ポスト・マローン」のカルツ・リミックスとアコースティック・バージョンのストリーミングとデジタル・ダウンロードがそれぞれ解禁されたことも、ポイントの上昇に繋げている。

『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』は、11週間連続で1位を獲得したストリーミング・アルバム・チャートで今週2位にダウンしたが、セールス・アルバム・チャートでは6週目の1位を獲得している。

続いて今週2位には、米オクラホマ州出身のカントリー・シンガー=ザック・ブライアンのニュー・アルバム『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』が先週の17位からジャンプアップして、以下に続く4作目のTOP10入りを果たした。

『アメリカン・ハートブレイク』(2022年 / 最高5位)
『ザック・ブライアン』(2023年 / 最高1位)
『ボーイズ・オブ・フェイス』(2023年 / 最高8位)
『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』(2024年 / 最高2位)

『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』は、前週の集計期間最終日の7月4日にリリースされたため、集計期間が分かれたことにより先週(7月13日付)のチャートで17位に初登場し、今週2位に浮上した。なお、通常アルバムは毎週金曜日にリリースされる。

『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』は、2週目の今週ストリーミングが127,500(390%増加)、セールスは8,500(66%増加)、トラックによるユニットは1,000(113%増加)をそれぞれ記録して、累計137,000ユニット(363%増加)を獲得した。アルバムの週間再生回数は全19曲で1億6,387万回を記録している。なお、前週の週間ユニットはわずか1日の集計期間で32,000を獲得した。ストリーミング・チャートでは前週の18位から1位に上昇している。

現時点ではデジタル・ダウンロードでのみ購入可能で、フィジカルは10月11日にCDとアナログ盤のリリースが予定されている。

『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』からは、6月8日付のソング・チャート“Hot 100”で「ピンク・スカイズ」が最高6位となり、アルバムのヒットに繋げた。また、同月にリリースした「パープル・ガス」も現時点で70位を記録している。

本作のリリースを受けて、前作『ザック・ブライアン』(32,000ユニット / 12%減少)も先週の12位から10位に上昇し、TOP10に2作を同時ランクインさせている。ザック・ブライアンがTOP10に2作をランクインさせたのは、『ザック・ブライアン』が5位、『ボーイズ・オブ・フェイス』が8位にランクインした2023年10月7日付以来、2度目のチャートアクションとなる。

モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(69,000ユニット / 6%減少)は先週の2位から3位にダウンして、ビリー・アイリッシュの『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』(58,000ユニット / 8%減少)は4位をキープ。先週5位に浮上したチャペル・ローンの『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』(54,000ユニット / 10%減少)も同位にランクインした。

以下、モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(36,000ユニット / 10%減少)は6位、シャブージーの『ウェア・アイヴ・ビーン、イズント・ウェア・アイム・ゴーイング』(36,000ユニット / 10%減少)が8位をそれぞれキープして、先週3位にデビューしたミーガン・ザ・スタリオンの新作『ミーガン』(32,000ユニット / 50%減少)は9位にランクダウンした。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは7月19日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』テイラー・スウィフト
2位『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』ザック・ブライアン
3位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
4位『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』ビリー・アイリッシュ
5位『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』チャペル・ローン
6位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
7位『スティック・シーズン』ノア・カーン
8位『ウェア・アイヴ・ビーン、イズント・ウェア・アイム・ゴーイング』シャブージー
9位『ミーガン』ミーガン・ザ・スタリオン
10位『ザック・ブライアン』ザック・ブライアン

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