このウミネコ、どこがおかしいか気づいた?「日本野鳥の会」公開の写真が伝えるプラごみの被害

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自然環境に流出したプラスチックによって、海鳥をはじめとした野鳥が被害を受けている。その実態を把握し、改善に向けた取り組みにつなげようと、「日本野鳥の会」(東京)が情報提供を呼びかけている

同会によると、プラスチックごみによる野鳥への健康被害は以前から報告があるものの、その情報は限られている。そのため、現状を正確に把握することを目的に、野鳥のプラスチック被害を写した写真と詳しい情報を広く募ることに決めたという。

7月15日の「海の日」を前に、同会は特設ページ「プラスチック汚染から海鳥を守ろう」を公式サイト上で公開。プラスチックごみが野鳥たちに与える影響や、そうした問題を改善するために個人にできることなどが紹介されている。

これまでに寄せられた被害報告としては、

▽くちばしと頭の間にプラスチックがはさまったウミネコ
▽誤食したビニールがくちばしに付着したウミアイサ
などがある。このような状況で、野鳥たちは餌が十分に取れない恐れがあるとしている。

また、弁当のおかずの仕切りなどによく使われる緑色の「バラン」を、餌の草と間違えて食べようとしていたオオバンの姿も確認されている。

プラスチックが頭部にはまったウミネコ 2022年2月6日(千葉県銚子市)

ビニールを誤食し、くちばしから外れないウミアイサ 2023年12月24日(長崎県諫早市)

バランをつつくオオバン 2024年1月27日(東京都台東区)

「流出プラスチック類の野鳥への被害状況調査」募集要項

同会は、プラスチックによる野鳥の被害(誤食、絡まり、巣材利用等)を観察した場合は写真を撮り、専用フォームから情報提供するよう呼びかけている。提供写真と情報は、同会の公式サイトに掲載される予定。募集要項の概要は以下の通り。▽調査期間
2024年4月1日~2026年3月31日▽提供を募る情報
被害状況の写真、観察日、場所、鳥の種名、観察された内容(体への絡まり/付着があった・巣材として利用・誤って食べていた・絡まり死んでいた・容器にはまり動けなくなっていた・その他)、お名前、メールアドレス、写真使用の可否

▽注意事項
・写真は自身で撮影したものに限る
・日付と場所が明らかであれば、調査期間より前に撮影されたものも調査対象になる
・撮影にあたっては、野鳥の生態に影響を与えないよう十分に配慮をする

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