2024ドラフト展望 モックドラフト 1巡目全39指名予想

日本時間7月15日(月曜日)の朝8時から、2024年のMLBドラフトがスタートする。前回までの記事では、トラビス・バザーナ、チャーリー・コンドン、JJ・ウェザーホルト、ジャック・カグリオンという4人の全体1位有力候補を紹介してきた。今回は1巡目から戦力均衡ラウンドAまでの全39指名を予想する。

◆指名順位 球団名 選手名(ポジション・大学or高校・『MLBパイプライン』のドラフト有望株ランキング順位)

◆全体1位 ガーディアンズ JJ・ウェザーホルト(二塁手・大学生・4位)
ハムストリングの故障で今季の半分を棒に振ったが、依然今ドラフト最高級の好打者。今季は遊撃を守ったが、プロでは二塁向きとの評価。『ESPN』『ベースボール・アメリカ』『MLBパイプライン』の主要メディアは直前に全体1位をウェザーホルト予想に。ここで契約金を節約する公算大か。

◆全体2位 レッズ チャーリー・コンドン(外野手・大学生・2位)
今ドラフト最高のパワーヒッター。今季は主に三塁を守り、プロでも三塁に留まれる可能性あり。

◆全体3位 ロッキーズ チェイス・バーンズ(右腕・大学生・6位)
最速102マイルの速球と空振り率6割超えのスライダーを武器とする奪三振マシン。投手不利な環境を本拠とするロッキーズは、直近2年のドラフトで大学生投手を指名している。今回もその方針に則る可能性が高い。

◆全体4位 アスレチックス トラビス・バザーナ(二塁手・大学生・1位)
コンドンと並んで今ドラフト最高の選手と言われるオーストラリア生まれの好打者。コンタクト力に加えて今季はパワーも成長。バザーナが全体1位で指名されないとすれば、全体4位まで落ちてくる可能性は十分。

◆全体5位 ホワイトソックス ジャック・カグリオン(二刀流・大学生・3位)
コンドンに勝るとも劣らないパワーを秘める二刀流の怪物。ホワイトソックスは1巡上位では大学生の好打者を指名することが多く、残った中で最高の打者であるカグリオンを指名すると予想。

◆全体6位 ロイヤルズ ヘイゲン・スミス(左腕・大学生・5位)
バーンズにも劣らない左の奪三振マシン。100マイルに達する速球と大きく曲がるスライダーが武器。ロイヤルズは過去5年の全体1桁ピックで、高校生野手2人、大学生投手1人、高校生投手1人、大学生野手1人とカテゴリに縛られず、その時点でのベストプレーヤーを選ぶ傾向にある。よって、ここは残った中で最も優れた選手を予想した。

◆全体7位 カージナルス トレイ・イェサベジ(右腕・大学生・11位)
バーンズとスミスと比べると格は落ちるが、大学生投手の3番手。スプリッターが武器。カージナルス過去5年の1巡のうち大学生投手は3人。大学生投手の需要はその年の投手の充実度に関わらず一定に高く、イェサベジは人気を集めそうだ。

◆全体8位 エンゼルス ニック・カーツ(一塁手・大学生・7位)
昨季まで全体1位候補にも挙がっていた完成度の高いスラッガー。パワー抜群な上、コンタクト力も巧みで穴がない。シャニュエルとネトのようにすぐさま昇格させるかは分からないが、完成度の高い大学生という方針は踏襲すると予想する。

◆全体9位 パイレーツ ジェームズ・ティブス(外野手・大学生・12位)
パワー・コンタクト力・選球眼どれを取っても安定した好打者。反面、守備で存在感は残せないだろう。昨年こそポール・スキーンズを指名したが、それまでは好打者タイプの指名が多かった。その傾向を捉えるティブスは契約金の節約も狙える好ピックになる予感。

◆全体10位 ナショナルズ ブライス・レイナー(遊撃手・高校生・10位)
コリー・シーガー(レンジャーズ)とも比較される強打の高校生遊撃手。投手としても有望な評価を受けるほどの強肩の持ち主でもある。ナショナルズはとにかくロマンある伸びしろの大きい選手を好む傾向にあり、No.1高校生のレイナーを選ぶと予想。

◆全体11位 タイガース コナー・グリフィン(遊撃手・高校生・9位)
レイナーと並んで今ドラフトで最高評価を受ける高校生。2006年生まれながら体格は完成されており、爆発的なポテンシャルを秘める。タイガースも高校生を好む傾向にあり、グリフィンを逃す手はないだろう。

◆全体12位 レッドソックス クリスチャン・ムーア(二塁手・大学生・13位)
今季34本塁打を放った強打の二塁手。ボール球を追いかけやすい傾向にあるが、打力の評価は高い。カレッジ・ワールドシリーズで評価を上げてきた。レッドソックスは4年連続で野手をトップ指名している。

◆全体13位 ジャイアンツ ブレイデン・モンゴメリー(外野手・大学生・8位)
強肩強打の外野手。空振りの多さこそ懸念だが、パワーはすさまじい。6月下旬に足首の怪我を負ってやや評価を落としたか。怪我の影響もあって全体13位までスリップする可能性はある。2019~21年までの指名傾向を当てはめ、ジャイアンツが躊躇なくモンゴメリーを拾うと予想。

◆全体14位 カブス ブロディ・ブレヒト(右腕・大学生・21位)
100マイルを超える速球とスライダーが武器だが、制球力が壊滅的な右腕。奪三振力が高い素材型の大学生投手の指名を厭わないカブスの傾向がここでも発揮されると予想。ただ、昨年は大学生遊撃手マット・ショーで成功しており、クリスチャン・ムーアなどの可能性も十分。

◆全体15位 マリナーズ セオ・ギレン(遊撃手・高校生・28位)
スムースなスイングが持ち味の攻撃型遊撃手だが、肩の弱さが玉に瑕。二塁へのコンバートが予想される。近年のマリナーズはコール・ヤングやコルト・エマーソンなどヒットツールが高い高校生の指名で成功を収めており、何匹目かのドジョウを追うだろう。

◆全体16位 マーリンズ キャム・カミニティ(左腕・高校生・15位)
名選手ケン・カミニティの息子。98マイルに達する速球、スライダー、チェンジアップをハイレベルに操るNo.1高校生投手。投手育成に長けるマーリンズは昨年、トップ2の高校生投手を両取りしている。

◆全体17位 ブリュワーズ キャム・スミス(三塁手・大学生・14位)
パワーと強肩に高い評価を受ける三塁手。コンタクト率もドラフトイヤーに改善。ブリュワーズは大学生野手の指名が続いている。キャム・スミスがこの順位まで残るようなことがあれば、迷わず指名するのではないだろうか。

◆全体18位 レイズ カーソン・ベンジ(外野手・大学生・18位)
アプローチの良さとパワーを兼ね備える好打者。投手としても有望だっただけに強肩を持ち、外野守備も高評価だ。レイズは高校生のオーバーピックを厭わないなど、傾向がつかみにくい指名をするものの、ここは昨年のブレイデン・テイラーにも似た完成度の高いベンジを予想した。

◆全体19位 メッツ スレイド・コールドウェル(外野手・高校生・27位)
小柄な体に野球センスを秘めた好素材。コービン・キャロル(ダイヤモンドバックス)とも被る俊足好打の外野手だ。メッツはサイズを気にせず高校生の好打者を多く確保している実績がある。ベンジが残っていればベンジを指名する可能性もあるはずだ。

◆全体20位 ブルージェイズ シーバー・キング(ユーティリティ・大学生・17位)
昨季は三塁と中堅を主に遊撃なども守れるマルチなアスリート。2桁本塁打を打てるパワーポテンシャルも秘める。ブルージェイズはここで大学生野手を指名すると多く予想されている。

◆全体21位 ツインズ ライアン・ウォルドシュミット(外野手・大学生・23位)
コンタクト力・選球眼・パワーの全てにおいて穴がない好打者。しかし、故障もあってDHとしてシーズンを送るなど守備に不安。ツインズは打力優先の指名が目立つ球団。ウォルドシュミットは格好のマッチになるだろう。

◆全体22位 オリオールズ バンス・ハニーカット(外野手・大学生・22位)
ヒットツール以外の4ツールを兼ね備える外野手。スケールは大きいが、とにかく三振が多いのが課題。オリオールズはマイク・イライアスの編成下では大学生野手にこだわってきた。ハイポテンシャルなハニーカット指名の可能性が高いと予想する。

◆全体23位 ドジャース キーロン・リンジー(遊撃手・高校生・29位)
非力ながら巧打と俊足が売りの遊撃手。1巡の下位からヒット作を生み出し続けるドジャースは傾向が読みづらい球団のひとつ。リンジーと繋がっているという噂は多くのメディアが報じている。

◆全体24位 ブレーブス ジュランジェロ・サインチェ(両投げ・大学生・25位)
世にも珍しい両投げ投手。もっぱら右腕の方が評価は高く、小柄な体で横変化を主に打ち取る姿はマーカス・ストローマン(ヤンキース)とも。ブレーブスは投手偏重、かつ4年連続でアンダースロットで契約金を抑えている。それが可能そうなサインチェを予想する。

◆全体25位 パドレス キャッシュ・メイフィールド(左腕・高校生・30位)
球速を伸ばして評価を上げた高校生左腕。98マイルに達する速球、チェンジアップ、平均以上のコマンドが武器。伸びしろの大きい選手を好み、高校生投手の指名も厭わないパドレスの傾向にがっちりと当てはまる。チェンジアップの質が高いのもパドレス好みか。

◆全体26位 ヤンキース ビリー・アミック(三塁手・大学生・32位)
パワー自慢のブンブン丸。ボール球に手を出すこともしばしばだが、パワーは本物。スピードはなく三塁に留まれる可能性は低いか。ヤンキースといえばパワーが売りの打者を好む傾向にある。アミックと似たプロフィールのトミー・ホワイトらもあり得るか。

◆全体27位 フィリーズ ワイアット・サンフォード(遊撃手・高校生・35位)
攻守に洗練された高校生遊撃手。守備の評価が一際高い上、バットスピードが高い打撃もこれからパワーを伸ばすとの見立て。フィリーズは4年連続で高校生を指名し、立派に育て上げている。サンフォードは思わぬスリーパーに推す声も。

◆全体28位 アストロズ ダコタ・ジョーダン(外野手・大学生・34位)
パワーとスピードが持ち味だが、空振りが多く、全体的に粗削り。直近2年のアストロズは粗さを気にせず、センターラインのポテンシャルある選手を中心に指名を展開(ブライス・マシューズ、タイラー・ウィテカーら)。ジョーダンのポテンシャルに賭ける可能性を予想した。

◆全体29位 ダイヤモンドバックス カーター・ジョンソン(遊撃手・高校生・40位)
ガナー・ヘンダーソン(オリオールズ)とも比較される高校生遊撃手。攻守に完成度が高い上、パワーの伸びしろも。ダイヤモンドバックスは直後の31位、34位の指名権も持ち、この内2つは高校生野手に使うとの予想が多くなっている。

◆全体30位 レンジャーズ ウォーカー・ジェネック(捕手・大学生・24位)
強肩強打の捕手。今ドラフトの捕手で最もバランスが取れた逸材だ。レンジャーズは近年、完成度の高い大学生を好んで指名する(ジョシュ・ヤン、ジャスティン・フォスキューら)。ジェネックは完成度の高さはピカイチの選手だ。

◆全体31位 ダイヤモンドバックス ダンテ・ノリ(外野手・高校生・48位)
好打、俊足、強肩、好守を兼ね備える高校生外野手。アレック・トーマス(ダイヤモンドバックス)を彷彿とさせるという声も。小柄でもヒットツールが確かな選手を好むダイヤモンドバックスがオーバーピックすると予想する。

◆全体32位 オリオールズ トミー・ホワイト(三塁手・大学生・20位)
NCAAの1年生本塁打記録を持つスラッガー。パワーは間違いないが、アプローチや守備には課題が残る。知名度の高い有望株だが、パワー以外のツールが懸念されてスリップすると予想。パワーのある大学生野手を好むオリオールズのセンサーにかかるかもしれない。

◆全体33位 ツインズ ブレイロン・ドウティー(右腕・高校生・36位)
90マイル中盤の速球、3000回転を超えるカーブ、横にキレるスライダーを武器とする高校生右腕。コマンドも平均以上と優秀だ。ツインズは1巡下位では高校生投手の指名が見られるが、契約金は抑えている。高校生投手の中で契約金を抑えられそうなドウティーを予想。

◆全体34位 ブリュワーズ ケイレン・カルペッパー(遊撃手・大学生・31位)
フィジカルに恵まれたオールラウンダー。三塁から遊撃に移った今季は守備でも安定感を発揮。2桁本塁打のポテンシャルを秘める。ブリュワーズはスリップしてきた選手を順当に拾うことが多く、ここでもカルペッパーを指名すると予想。

◆全体35位 ダイヤモンドバックス ジョナサン・サントゥッチ(左腕・大学生・37位)
故障とコントロールの悪さが足を引っ張るが、高い奪三振力を持つ左腕。

◆全体36位 ガーディアンズ ライアン・スローン(右腕・高校生・19位)
大柄な体躯から投じる最速99マイルの速球とチェンジアップの評価が高い右腕。強豪ウェイクフォレスト大への進学が内定しており、契約金の高さからスリップもあり得るはず。もしスリップすれば、全体1位で契約金を節約したガーディアンズが指名する可能性があるはずだ。

◆全体37位 パイレーツ ルーク・ホルマン(右腕・大学生・45位)
速球の平均は92マイルに過ぎないが、スライダーとコマンドの評価が高く、試合を作れる右腕。その完成度は抜群だ。

◆全体38位 ロッキーズ マルコム・ムーア(捕手・大学生・26位)
パワー・選球眼・コンタクト力の全てに秀で、打力は申し分ない。ただ、捕手守備の評価は低く、コンバートは必至だろう。

◆全体39位 ナショナルズ ウィリアム・シュミット(投手・高校生・16位)
スローンと肩を並べる高校生トップクラスの剛腕。ポテンシャルの高い高校生を好むナショナルズ(14日にトレードでロイヤルズからこの指名権を獲得)がシュミットを指名することを予想する。

The post 2024ドラフト展望 モックドラフト 1巡目全39指名予想 first appeared on MLB.JP | MLB日本語公式サイト.

© MLB Advanced Media, LP.