『Missナイト & Missデイ』チョン・ウンジがチェ・ジニョクにキス! 三角関係が加速する

Netflixで6月15日より配信中の『Missナイト & Missデイ』が折り返しを向かえ、日本のNetflixランキングでも連日TOP10入りを果たしている。本作は、アイドルグループApinkのチョン・ウンジと、名バイプレーヤーのイ・ジョンウンが2人1役で、昼と夜で違う顔を持つ女性を演じ分けるロマンティックコメディ×サスペンスの多ジャンル作品だ。

チョン・ウンジ演じる20代のイ・ミジンは、8年の就活浪人中に就活詐欺に遭い自暴自棄になる。ミジンは、以前助けた猫が井戸に落ちるのを助けながら、心の中で「自分じゃない別人になりたい」と願う。すると翌朝、50代のおばさん姿(イ・ジョンウン)になっていた。その日からミジンは、日が昇っている間は50代になり、日が沈むと20代のミジンに戻る不思議な体験をすることになる。ミジンは、行方不明の叔母であるスンの名前を借りて、イム・スンとして昼間はソハン地検で検事ケ・ジウン(チェ・ジニョク)の元で働くことになる。本稿では第7話、第8話を中心にご紹介したい。

ミジンは、麻薬捜査中のジウンのビールに薬物が入れられたことを知らせるために、ジウンにジェスチャーで知らせようとするも伝わらない。「薬物が入っているから、飲むと意識を失うよ」と伝えようと、目を寄り目にして頭をくるくる回すチョン・ウンジに笑わせられる。そんな必死のミジンのジェスチャーが一向に伝わらない鈍いジウンの様子も可笑しい。

ジウンを助けようと、ジウンの彼女だと言い張るミジン。ジウンも戸惑いながらも否定せずに両手に花(?)状態になり、女性2人から引っ張りだこになるコメディ展開が繰り広げられる。ひとしきり笑わせられた後には、麻薬の売人を追い詰めるジウンの華麗なるアクションに惚れ惚れさせられる。チェ・ジニョクの長い脚から繰り出されるキックがカッコいい。

ジウンは、ミジンがなぜ現場にいるのかを訝しがり、さらにミジンにどこで働いているのかと問う。ミジンが「ソハン地検のあんたの部屋だよ」と心の中で返すのが面白い。

帰宅途中のミジンは、ジウンに何も話せなかったことを「事情があって言えないの」と独り言ちながら歩くも、その後ろをジウンは心配でついてきていた。ミジンの独り言を聞いたジウンは、ミジンに「事情があるんでしょう。打ち明けてくれるまで待ちます」と言う。ミジンから、ジウンの事情もいつか話してくれるかと問われたジウンは、「私は心を開くタイプじゃない。でもミジンさんになら言えそう」と答える。これはすでにある意味で愛の告白ではないだろうか。自分の心の中を、ミジンになら見せてもいいという心境になっているジウンは、ミジンのことを気にしている段階から一歩恋に進んでいる予感を感じさせる。

一方、アイドルのコ・ウォン(ペク・ソフ)は、スンの存在に心を癒されスンを気にかけていた。帰宅途中のスンを見かけたウォンは、途中で日が沈み、ミジンに変身する姿を見かけて不審に思い、改めてスンの帰宅を車で尾行する。ウォンは、ネットカフェに入るスンの後を追い、同じ鞄を持つミジンを見つける。さらに、彼女の足にスンと同じハート型の痣があるのを目にする。ウォンは、そのままミジンに気づかれないように尾行を続けて一夜を明かし、翌日ミジンからスンへの変身現場を目撃して驚愕する。

その後、ソハン地検の飲み会で、スンは酔いがやけに早く回り、身体に異変を感じる。酔ったスンは、ジウンにミジンの携帯電話から電話をかけてしまう。ジウンは、ミジンに何かあったのかとミジンの携帯電話に入れたGPSでミジンの居場所にやって来る。

酔ったスンは、意識を失くしそうになるところをウォンに抱きとめられるが、そのままミジンに変身してしまい、そこに駆けつけたジウンが2人が抱き合う姿を見てしまう。言いたいことが渋滞する場面の連続だ。

まずは、イ・ジョンウンがカラオケで披露するAPinkのヒット曲「Mr.Chu」。チョン・ウンジも現れ、ミジンとスンの2人が「Mr.Chu」を歌い踊る姿に胸が熱くなる。最初にイ・ジョンウンの姿が映し出された後、視聴者の声を分かっているかのようにチョン・ウンジが登場する演出が最高だ。鏡の中に現れたチョン・ウンジが外に出てきて一緒に踊るという素晴らしくキュートな場面。演出の素晴らしさにキュンとさせられた。

そして、ジウンが目撃したミジンとウォンの抱き合う姿。ジウンの「自分の目に写るものを信じたくない」と言っているような眼差しと、スマホを持つ手から力が抜ける様子に彼の受けた衝撃の強さが伝わってくる。チェ・ジニョクの嫉妬と驚愕が綯い交ぜになった表情がとても良い。

その後、ウォンがミジンを自分の車に乗せて連れて行こうとするのを遮るジウン。すかさず救急車を呼び、ウォンからミジンを守ろうとする。一触即発状態のジウンの表情には、「お前は一体彼女に何をしたんだ、彼女とどういう関係だ」と書いてあるかのような炎が宿る。ミジンを挟み、ジウンとウォンの三角関係の火蓋が落とされた瞬間だろう。ミジンの秘密を知るウォンと、彼女と互いに心を近づけていくジウンがバチバチの火花を散らす。

ミジンとスンが同一人物であることを知るウォンは、彼女に「秘密は守る」と告げて彼女を見守るために異動を願い出る。ウォンの中ではすでにスンではなく、ミジンの姿が見えているのだろう。ペク・ソフがイ・ジョンウンに向かって“壁ドン”する「キャー!」と言いたくなる展開も。ウォンがここからミジンに猛プッシュしていくのだろうか。

一方のミジンの恋心は、ジウンに真っ直ぐに向かっている。ミジンは、叔母イム・スンの名が記されている行方不明者リストをジウンの手から奪おうと、ジウンの家にお酒を持って押しかける。酔ったジウンから書類を奪おうとするミジンだが、ジウンはお酒が強く、代わりにミジンが酔ってしまう。酔ったミジンは、ジウンに向かって「飲酒による心身耗弱は認められますか」と問い、「これは過失じゃないです」とジウンにキスをする。

ついに気持ちを抑えられないミジンがジウンにキスをしたところで、物語は次回へ続くことになった。ミジンはこのままバタンと寝てしまうのではないだろうか。どぎまぎするジウンが観られそうで楽しみだ。

恋愛パートが盛り上がる中、ミジンの叔母も含めた行方不明者に絡む連続殺人事件のほうにも展開が観られた。スンと同じシニアインターンの中に怪しい人物が登場。ジウンの母の事件に絡んでいた刑事もインターンの中に居て、未解決の過去の事件がどんなふうに絡み、解決していくのかも気になるところだ。

ミジンが、“自分じゃない人間になりたい”と願うまでに落ちた自己肯定感が、ジウンとの出会いや、スンとして人と関わる中で徐々に変わっていくのだろう。ミジンが自分を認めることができたとき、彼女にかけられた魔法が解けるのだろうか。だとしたら、ミジンの前に現れたジウンは魔法を溶かす王子様なのだろうか。おそらく、ジウンだけでなく、彼女が出会った人全てが彼女にとってのキーパーソンであり、恩人で、ミジン自身が未来の自分であるスンに助けてもらっているのかもしれない。スンは、未来から来たミジンの救世主とも言えるかもしれないとスンの活躍を観て思う。
(文=にこ)

© 株式会社blueprint