LE SSERAFIM ソロインタビュー Vol.3:HUH YUNJIN、楽曲制作の難しさは「正直な気持ちを歌詞に込めること」

LE SSERAFIMがデビューしてから2年。1stミニアルバム『FEARLESS』からリリース作品が3作連続でミリオンセラーを達成し、初単独ツアーの開催、最新作品となる3rdミニアルバム『EASY』のタイトル曲「EASY」は米Billboard「Hot 100」で自身初のチャートインを果たすなど、この期間に彼女たちが成し遂げてきた偉業、刻んだ新たな歴史は数多い。

そして、LE SSERAFIMは6月29日より日本で初となるファンミーティング『LE SSERAFIM FAN MEETING 'FEARNADA' 2024 S/S - JAPAN』を開催。今回リアルサウンドでは、このファンミーティングの開催を記念して、メンバー5人にソロインタビュー。連載形式で5週にわたってお届けしていく。

Vol.3には、HUH YUNJINが登場。3rdミニアルバム『EASY』の収録曲のうち3曲を作詞するなど、LE SSERAFIMのクリエイティブ面を大きく支えるメンバーのひとりでもある。彼女がLE SSERAFIMとして伝えるメッセージ、5人が表現するLE SSERAFIMについて、丁寧に語ってくれた。

■音楽を通して表現できるようになった“自分の気持ち”

――デビューから2年が経ちました。この2年のあいだで、みなさんが個人的に「いちばん成長した」と思う部分はどこですか?

HUH YUNJIN:自分の気持ちや考えていることを音楽などを通して表現することにおいて成長したように感じます。

――その成長した部分は、どんなふうに磨いていきましたか?

HUH YUNJIN:LE SSERAFIMとして、そして個人的にも、多くの方々に伝えたいメッセージをどのように表現すればいいのか悩みながら、自分ならではのやり方を見出しているところだと思います。

――デビューからの活動期間において、メンバーのみなさんが主観的にLE SSERAFIMにとっていちばん印象的だったと思うステージがあれば教えてください。

HUH YUNJIN:毎年、年末の授賞式のステージは、わたしたちLE SSERAFIMのかっこいいパフォーマンスをお見せできるいい機会だと思っているので、印象的なステージです。メンバーたちと一緒に一生懸命準備して、昨年はソロステージもあったので、お互いに支え合いながらうまくやり遂げることができた記憶があります。

――グループ結成初期から今に至るまで、作品のリリースやそのコンセプトを昇華していく過程で、グループ名にも込められている「IM FEARLESS」=“世のなかの視線に揺らぐことなく恐れずに前に進む”という意味はメンバーの皆さんにとっての捉え方や体現の仕方などに変化はありましたか? どのようにして、ご自身のなかに「IM FEARLESS」というワードが浸透してきたのでしょうか。

HUH YUNJIN:「IM FEARLESS」のワードだけでなく、わたしたちのこれまでのアルバムを通じてLE SSERAFIMならではのメッセージを表現してきましたが、このようなメッセージがわたしたちの考えを変化させたというよりも、メンバー5人の考え方が、そのままグループ名やアルバムメッセージに反映されていると思います。

■楽曲制作の難しさ「正直な気持ちを歌詞に込めること」

――最新作品でもある3rdミニアルバム『EASY』は、メンバーの内面にフォーカスを当て、素直で人間的なLE SSERAFIMを見せたミニアルバムで、これまでのコンセプトでもあった“強さ”もありつつ、正直な姿や内面の悩みも垣間見えました。初めて強さの裏側/根源を見せた作品でしたが、活動を振り返るとグループの“強さ”や“強み”はどこにあると思いますか? その理由もあわせて教えてください。

HUH YUNJIN:メンバーごとに異なる魅力を持っているのが強みだと思います。メンバーそれぞれ魅力を持っているので、LE SSERAFIMがグループとして多様な姿をお見せできるのだと思います。

――1stスタジオアルバム『UNFORGIVEN』収録のファンソング「피어나 (Between you, me and the lamppost)」はメンバー全員で作詞に参加されましたが、3rdミニアルバム『EASY』でもメンバーそれぞれが作詞を手掛けました。HUH YUNJINさんは、「Swan Song」「Smart」「We got so much」の3曲の作詞に参加して、同作内でいちばん作詞に参加したメンバーでもあります。“LE SSERAFIMのHUH YUNJIN”として作詞をすることは、ご自身にとってどのような感覚なのでしょうか? 数曲の制作を経て、難しいと感じるポイントやご自身で掴んだコツなどを教えてください。

HUH YUNJIN:正直な気持ちを歌詞に込めることです。それが難しいこともありますが、満足できる制作作業をするためのコツだと思います。

――2023年は『UNFORGIVEN』のカムバックをはじめ、初の単独ツアー、全英語詞シングル「Perfect Night」リリースからアメリカでの活動、また日本デビューを経て2年連続での『NHK紅白歌合戦』の出場など、活動の幅が広がった年だったと思います。振り返ると、どのような一年でしたか?

HUH YUNJIN:さまざまな活動を通じて、本当に多くのことを経験できた一年だったと思います。特に、デビュー前から夢見ていた初めての単独ツアーが印象に残っています。

――今年の活動としては、先ほどの通り3rdミニアルバム『EASY』でのカムバック、そしてアメリカでも活動しました。大きなステージを前に、プレッシャーや負担を目の当たりにしたり、『コーチェラ』だけで披露するパフォーマンスも準備し、その期間はとてもたいへんな期間でもあったと思います。準備期間でいちばん意識したことは何でしたか?

HUH YUNJIN:ステージを最大限に楽しめるようにメンバーたちと一緒に準備しました。

――本番ではナイル・ロジャースとの共演や未発表曲「1-800-hot-n-fun」の初披露、バンド編成でのパフォーマンスなど、初めて尽くしのステージでもありました。個人的なハイライトを教えてください。

HUH YUNJIN:「1-800–hot-n-fun」を初めてパフォーマンスしたのですが、未発表曲にもかかわらず、観客の方々にたくさん楽しんでいただけたので嬉しかったです。わたしにとってのハイライトだと思います。

――『コーチェラ』では「ルイ・ヴィトン」のカスタムメイドの衣装も話題となり、衣装はLE SSERAFIMの世界観を拡張させるひとつの大きな役割を担っていると思います。それぞれの個性を活かすステージ衣装へのこだわり、衣装を着ると切り替わるスイッチなど、メンバーの皆さんにとっての衣装はどのような存在ですか?

HUH YUNJIN:舞台の演出によく合った衣装でステージに上がると、本当に気分も高まってパフォーマンスするのに大きな力になります。

■日本ルーティーンはメンバーとコンビニで“美味しいもの”を探索

――自身2度目となるファンミーティング『LE SSERAFIM FAN MEETING 'FEARNADA' 2024 S/S - SEOUL』を韓国で行いました。「5人のヒーローがFEARNOTの望みを叶えてみんながひとつになること」がひとつのテーマでもありましたが、みなさんにとっての“ヒーロー”というと思い浮かぶのは誰ですか?

HUH YUNJIN:ヒーローというと、FEARNOTの皆さんが思い浮かびます。ヒーローはよりよい世界を作る人のことなのですが、FEARNOTの皆さんはわたしの世界をよりよくしてくれます。

――ソウルでの『FEARNADA』では、5人各々ステージを用意し、KIM CHAEWONさんとHUH YUNJINさんは「Raise y_our glass」を、SAKURAさん、KAZUHAさん、HONG EUNCHAEさんはそれぞれダンスカバーを披露しましたね。

HUH YUNJIN:CHAEWONさんと歌った「Raise y_our glass」は、わたしの自作曲なのですが、こうしてメンバーと一緒にステージすることで、ひとりで歌うよりもよりよいステージになった気がしますし、楽曲に込められたメッセージをFEARNOTの皆さんにうまく伝えることができたのではないかと思います。

――そして、今回日本での初開催となるファンミーティング『LE SSERAFIM FAN MEETING 'FEARNADA' 2024 S/S - JAPAN』も開催されます。日本での初開催ということで、何か楽しみにしていることはありますか?

HUH YUNJIN:日本でファンミーティングを初めて開催できることがとてもワクワクしますし、たくさんのFEARNOTの皆さんに早くお会いしたいです。そして、今回初めてわたしたちLE SSERAFIMが単独公演を行う福岡のステージがどんな雰囲気になるのかが楽しみです。

――日本に来たら必ず行くスポットや必ず食べるものなど、“日本ルーティーン”は何かありますか?

HUH YUNJIN:やはり、メンバーたちと一緒にコンビニに行って美味しいものを探して食べることです。それから、ルーティーンかどうかはわかりませんが、昨年は美術館に行って楽しい時間を過ごした記憶があります。

――LE SSERAFIMとして、もしくはLE SSERAFIMのメンバーとして、今目標に掲げていることや叶えたい夢はなんですか?

HUH YUNJIN:LE SSERAFIMが伝えたいメッセージを盛り込んだ多様な音楽を作って、より多くの方々にその音楽をお届けしたいです。

――2024年を通して達成したいことは何かありますか?

HUH YUNJIN:世界中のさまざまな場所でFEARNOTの皆さんと直接お会いして、たくさんコミュニケーションを取りたいです。

(取材・文=リアルサウンド編集部)

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